iOS10.3のデータ消去における機能改善

Evidence Creator:build=110 / Library: 0.3.1-105 + 0.7.8-374rにアップデートしました。

更新内容は以下となります。

  • iOS 10.3で書込み完了時にDFUモードから復帰しない問題の修正
    元々再現率が低い為100%の保証は難しいのですが、消去機能が安定するようソフトウェアに修正を行いました。
  • 今春発売されたiPadへの暫定対応
    Apple社のサイトからの機種情報より対応を実装致しました。
  • その他、軽微な改善
    iOSへのIPSW書込み処理の改善
    僅かですが、消去時間の短縮(ウェイト時間の見直し)
    複数台接続時の安定性(リセット時のデバイスの再検索 処理)の向上

iOS10.3正式版への対応に向けて(途中報告)

先日正式リリースされたiOS10.3ですが、各所で文鎮化(DFUモード)の情報が報告されており、当社のソフトウェアMASAMUNE Erasureでも同様にDFUの問題を現在抱えています。

  1. 消去ツール内では消去取り込みの為のログの監視をする為に、「端末の接続チェック(メイン・全体の機能)」と「IPSWの書込み(個別端末への機能)」が並行して動作しています。その為「IPSWの書込み」処理の特定のタイミングで「端末の接続チェック」がその端末へ割り込むとDFU問題の事象となる可能性が考えられる。
  2. DFUモードからスタートしたIPSWの書込みは 問題の事象とならない為、接続チェックに割り込まれても影響しない事は確認されている。
  3. 一回目のIPSWへの書込みでDFUモードのまま終了した場合、もう一回実行する対応で回避ができる可能性がある。
    (欠点:IPSWの書込み時間が 2倍( +約5分強)掛かってしまう)

「端末の接続チェック」が、どのタイミングで割り込むと問題が発生するのかの特定を現在試みておりますので、それが特定できれば、そのタイミングで接続チェックを一旦停止するような改修を現在検討しています。

本日3月29日のアップデートbuild=105 / Library: 0.3.1-100 + 0.7.5-362r にて 上記の3 の機能を追加しました。引き続き、改善策を模索していく次第です。

MASAMUNE Erasureにおける iOSの消去について

iOSの消去について

当社のMASAMUNE Erasureでは「iOSの標準機能を利用しての消去」と「無意味なデータを上書き消去」のふた通りを用意しております。ご利用頂いている方から消去作業の高速化についてお問い合わせを頂いておりましたので 当件を筆記させて頂きます。

【速度強化】ストレージデバイスの強化

MASAMUNE ErasureのiOSの消去手法は以下になります。

① ipsw ダウンロード → ② ipsw の解凍 → ③iOSのファイル流し込み → ④ 消去

②と③を行う際にストレージデバイス(HDD や SSD)の読み込み、書き込み性能によって消去時間が変わってきます。

②についてはストレージデバイスの読み込み速度と書き込み速度。

③についてはストレージの読み込み速度、並びにUSBの書き込み転送速度。

iOSデバイスの複数台接続消去する際は、SSDなどを利用した高速デバイス(RAIDなど)導入やUSBポート、USBハブの変更などを検討をお奨めします。

【速度強化】ダウンロードの短縮(規約注意)

ipswの件についてですが、ダウンロードを短縮する事が可能です。
/usr/loca/bmdr/share/bmdr/ipsw にipswのファイルがあれば即消去作業がスタートされます。

しかしipswのファイルの複製はApple社の規約をご確認頂いた上でご利用頂き、当社では複製を推奨する物では御座いません。

保存フォルダについての箇所はスクリーンショット(Ubuntu 16.04 64bit の場合)にある通りです。

左のメニューにある左のボックス画像をクリックしていただき、開かれたエクスプローラの下から2番目の【コンピューター】から保存先(/usr/loca/bmdr/share/bmdr/ipsw)を参照する事が可能です。

参考

iPhone30台 並列消去の耐久テスト

全国にiPhone修理のフランチャイズ展開をされているリンゴ屋さん黒木社長のご厚意でiPhoneの30台並列消去の耐久テストをさせて頂きました。

第1弾は30台。第2弾は60台。最後は100台を目標。海外産のデータ消去ソフトとMade In Japanの勝負です。今回試験利用させて頂いたPCは数年前に稼働されていたノートパソコン。旧PCでもストレスなく動作出来る様に設計をしています。

試験の機会を頂きましたリンゴ屋様へ御礼を申し上げます。